マリア観音は、30年以上活動する日本のロックバンドです。バンドオーディション番組のイカ天に出演したり、ゆらゆら帝国や痛郎などが音源を出していたレーベル、Bloody ButterflyからもCDを発売したりしていました。
バシバシの変拍子、日本人的なるものにこだわり回帰したがゆえに日本人離れして感じるフリージャズ的なリズム感、息を止めたまま世界が終わってしまいそうになる緊張感のある即興やキメ、豊かな音色でアレンジされた楽曲とその中心を彩る情念的な歌と日本語詩、フロントマン木幡さんによる空手的にもエアロビ的にも見える激しいアクションで成り立つステージングが特徴です。
今日の企画に注目してくれてる人はきっとこれくらいの情報は持っているし、もっと詳しい人も大勢いると思います。でも、そういう「わかってる人」たち以外の人にこそ、このバンドを見てもらいたい。そういう人がまかり間違ってこの紹介文を読んでくれないかな、ライブも観に来てくれないかな、と思って詳述してみました。
定食屋に入るような気軽さでライブハウスに入れるようになればいい。そうしたらこんなすごいバンドが演奏していたりする。マリア観音が、夕方の相撲のようにTVで普通に流れていてほしいと思う。なんの色眼鏡もかけていない消費者に普通に消費をしてもらいたいと思う。そして「なんだかよくわからないけど、すごいものを観た」と感じてもらいたい。わけのわからない衝動、慰め、怒りや、もやもやとしたセクシャルな興奮、グロテスクな「イケナイもの」を観てしまったような背徳感、ネガだかポジだかわからない、ともすれば居心地悪く新鮮な、容易に言葉にできない感情のグラデーションの渦中に堕とし込まれてほしい。きっと元気が出るから。
そんなバンドです。憧れ、尊敬しています。
(文責 Vo,Sax及川)