2018年7月14日土曜日

「ウタ、ライブ」タイムテーブル


ウタ、ライブ出演者紹介その17「DJ手塚」

DJ手塚


7月14日(土)に高円寺DOM studioで行われる第一回てろてろ自主企画 「ウタ、ライブ」の出演者を、てろてろの各メンバーが紹介していきます。第十七回はDJ手塚です。
 
たった一回で終わってしまった、「ハトックシュウゼン事件」という、音楽と演劇と朗読などが一体となった不思議なイベントがありました。
隙間なく……というよりもすべてが有機的に絡み合って隙という感覚を忘れてしまうような、全員違うことをやっているはずのバラバラの出演者が、一つになってステージを作り上げていました。舞台の上で、エフェクターつけた包丁でなめろうを作ったりしてたから、料理の要素もあったかもしれない(今書いてもなんだかよくわからないな)。

ハトックシュウゼン事件の主催である手塚君とは、それ以前から知り合いだったのですが、お互いいつどこで出会ったのかよく覚えていません。お互い趣味がまったく違ったので、インターネット経由でないのは確かです(当時彼に「最近、谷川俊太郎の詩の良さに気づいた」と言ったら鼻で笑われ、私は私で彼が得意なポストモダンやらニューアカやらに理解がなかった)。お互いなにがなんだかわからんまま数年間、つかず離れず時々遊んでいたのですが、まさかこんな長い付き合いになり、ライブの撮影までしてもらうようになるとは思わなかった。

ある時ふと、ハトックシュウゼン事件が、ある時代のフリージャズのイベントを模した、現代風にアップデートしたものだったのでは?と気づきました。
彼が、日本フリージャズ界黎明期を支えたプロデューサーであり、評論家でもある故・副島輝人さんの弟子筋に当たるということを知ったからです。 副島さんは、肉体労働しながら、海のものとも山のものともしれぬ前衛ミュージシャンの表現の場を作っていた人でした。ハトックシュウゼン事件は、そういった表現の幅への懐の深さ、みたいなものを副島さんから受け継いでいたように思うのです。

中上健次、保坂和志、山下澄人、柴崎友香、セシル・テイラー、デレク・ベイリー、スティーブ・レイシー、ナウ・ミュージック・アンサンブル……純文学といったら町田康、フリージャズといったら阿部薫程度しか知らなかった私に、手塚君が教えてくれたものです。私は彼によく天皇とか関東周辺の被差別部落の話とかしてます。
お互いに全く知らない、興味のない、むしろ反発するような趣味を、吸収しあって変容していく。そういうことのできた、私にとって、コミュニケーションへの絶望にほんの少しの希望を残してくれた男なので、今回は屋上でDJをやってもらうことにしました。
きっと皆様にもなにか、今までにない、素敵な曲と出会わせてくれるのではないでしょうか。

INSPIRATION & POWER 14 Free Jazz Festival」という、副島さん主催のフリージャズのイベントを音源化したアルバムがあるので、こちらもぜひ手にとってみてください。
https://www.amazon.co.jp/Inspiration-Power-Free-Jazz-Festival/dp/B003JH596Q

2018年7月13日金曜日

ウタ、ライブ出演者紹介その16「三上寛」

三上寛


7月14日(土)に高円寺DOM studioで行われる第一回てろてろ自主企画 「ウタ、ライブ」の出演者を、てろてろの各メンバーが紹介していきます。第十六回は三上寛です。 

「本当に初めてこのシーンに足を踏み入れたものに、初代の王位を与えられるなら!三上寛に、三上寛に、三上寛に与えてくれ!」

と叫んだのは、80年代のハードパンク・バンドばちかぶり。
もはや説明不要にも思えるアングラフォークの帝王・三上寛さんの踏み入れたシーンとはどこなのか?与えるべき王位とはなんなのか?

「詩人というのは結局は、自分の一語に出会うということではないだろうか」
「生涯かけて一語にこだわり続ける事、それが詩人の役割というものではないだろうか。一語にこだわり、一語に死ぬことで、個々の言葉に魂が宿るのだろう。『オマンコ!』にこだわり、それが生涯の一語になるのなら、それはその人の、究極の一語になって言葉に返ることができるだろう」
(「三上寛 怨歌に生きる」)

なんと美しく、なんとパンクな言葉でしょう。
パンクというジャンルは、つまるところ幼稚で甘ったれでわがままで、直截的で激しい欲望が詰まったガラクタ。欲望は偏執的に加速し、カラダを追い抜き心を追い抜き、何者でもなくなって溶けて、そして死ぬ。
三上寛さんの書く詩、歌、ウタ。生活であり生殖であり聖域であるそれらの作品は、フォークシンガーかつ怨歌歌手でありながら、日本に初めて出現したパンクスのそれだったのではないでしょうか?

「サルトル、マルクス並べても 明日の天気は分からねえ ヤクザ映画の看板に 夢は夜ひらく」
(「夢は夜ひらく」)

バンドも生活もどうにもならず、何をどうすれば良いのかわけのわからなくなっていた頃、無力無善寺というライブバーで定期的に開かれている三上寛さん出演の企画に、私は「てろてろ」名義でソロの弾き語りをしました。
私はギターなんて全然弾けやしないし、それさえあればどうにかなるかもしれない愛着すらありませんでした。演奏はボロボロでオリジナルの曲も稚拙極まりなく、指を弦で切り、ギターは汚れていきました。
三上さんのステージは、声、曲、佇まい、すべてが圧倒的でした。私は、あそこで一度、殺されました。

そこから色々な縁があって、「てろてろ」が動き始め、今の形態にまで落ち着くのに2年がかかりました。私は、ずうっと、三上寛さんを呼べるようなバンドになりたいと思っていて、ライブを、ウタを続けて、その願いが明日、叶います。「このシーン」の王者を、皆さんぜひ生で見に来てください。

排他的中産階級コラージュパンクス。
インターネットや昔の雑誌を読んで、アングラパンクの勉強をして、女や家族に食わしてもらうのはもう辞めて、家から飛び出して、自立した本当のパンクスになろう。
 (評者 Vo,Sax:及川耕碩)





ウタ、ライブ出演者紹介その15「gloptin」

gloptin


7月14日(土)に高円寺DOM studioで行われる第一回てろてろ自主企画 「ウタ、ライブ」の出演者を、てろてろの各メンバーが紹介していきます。第15回はgloptinです。


フロアタム,ドラム缶,調理器具のボウルなどを魔改造し,エフェクトをかけて叩きまくる,唯一無二の内容で各ライブハウスでおなじみのgloptinさん。個人的には照明も含むめちゃくちゃ忙しい機材オペの巧みさにいつも目が行きます 観客をめちゃめちゃ盛り上げていても手と足は常に冷静。今回もみんなでフライパン叩きましょう!!(評者 Gt:百萬石マツリ)


ウタ、ライブ出演者紹介その14「小仏」

小仏


7月14日(土)に高円寺DOM studioで行われる第一回てろてろ自主企画 「ウタ、ライブ」の出演者を、てろてろの各メンバーが紹介していきます。第十四回は小仏です。

甲州のジョン・ゾーンことSaxの佐野さんを初めて観たのは、神楽坂にあったライブハウスに毎日のように通っていた頃、「大菩薩」というバンドで演奏していたのを観た時でした。Drの、山梨のチャールズ・ヘイワードこと奥山君とはかなり長い付き合いで、もう10年近く交流があります。彼とは個人的な節目節目に色んなバンドをやっていて、とてもお世話になっています。私が初めて人前で即興をやった「ビッグストレス」というバンドでも、彼が後ろで叩いていました。

小仏は、この大菩薩のメンバー二人が活動休止中に始めたバンドと記憶しています。なので最初に知った時は、失礼ながら大菩薩が再開するまでの中継ぎのバンドなのかな、と思っていました。音はミニマルで、名義も「大」に対して「小」ですから。
ところが、いつの間にかギターとベースが加わり、重みのあるバンドサウンドへと変貌。ライブも頻繁に行い、プログレ、ニューウェーブ、フリージャズ……どのジャンルにも当てはまりそうで当てはまらない、唯一無二のバンドとして活動を続けています。
これほど壮絶な演奏力で音圧が上がってなお、軽快さを感じさせる洒脱さは、フロントマンである佐野さんの人間的な粋さでしょう(なんていうと、嫌がりそうなのですが)。私にとって、うしろまえさかさ族が「陽」の、子供のような爆発力への憧れならば、 小仏は「陰」の、大人の落ち着きを持った憧れです。

しかしこんないいバンドが、東京ではなかなか見る機会がありません。なにせ山梨のバンドです。けれどそれにしても、こんな凄いバンドを呼ばない手はありません。なぜ誰も東京に呼ばないのでしょう?なぜ、誰も紹介してくれないのでしょう。
ちゃんと、知られていないからです。ちゃんと、よいものを紹介しようという気概を持った人に、見つかっていないからです。

本当は、自分の企画で小仏は呼びたくありませんでした。企画で呼んだバンドのライブは、まともに最後まで観ることはできません。私的にはなんの得もないです。
けれど、他に誰も東京に呼ばないのなら仕方がありません。大勢の人に観てもらうべきバンドは、自分で呼んで、営業して、観てもらうしかありません。
今度は、小仏を観に来たあなたが、小仏を東京に呼んでください。山梨にも、小仏を観に行ってください。私も、あなたと一緒に観に行きます。(評者 Vo,Sax:及川耕碩)

ウタ、ライブ出演者紹介その13「うしろまえさかさ族」

 うしろまえさかさ族

7月14日(土)に高円寺DOM studioで行われる第一回てろてろ自主企画 「ウタ、ライブ」の出演者を、てろてろの各メンバーが紹介していきます。第十三回はうしろまえさかさ族です。

2016年か2017年くらいからにわかに、「変なパワープログレバンド(なんだそれは)がいるらしい」という噂が私の身の回りで流れ始めていました。調べてみると、このインタビューにたどり着きました。

https://note.mu/buggingbaal/n/nb7af77f98ebe

バンドをやっているくせに、私はネット上の動画というものは滅多に視聴しません。せいぜいラジオのバックナンバーとか、Hなお姉ちゃんが出てくるやつとかその程度。結構観てるな。
ともかく、音楽を聴くのは、買ったCDか足を運んだライブ会場がほとんどなのです。ですから恐らく、このインタビューに載っている動画も見ず、文字情報だけで「面白そう」と勘をつけ、さかさ族のライブを観に行ったのだと思います。友達も誰も誘い合わせずたった一人で。

初めて観に行ったさかさ族のライブは、北千住にある小奇麗なスタジオで、まだ今の編成になる前、ドラムを持ち回りで代わる代わる叩くスタイルの頃でした。

圧巻でした。
ああこれだ。ばちかぶりだ。あぶらだこだ。昔の筋肉少女帯だ。おお、脱ぎ始めた。まるでスターリンだ。なのに、絶対に、このバンドはこのバンドでしかありえなかった。俺はこういうのが観たかった。そして、本当はやりたかった。

他のバンドの名前でオリジナルバンドを形容することを否定的に見る人達もいるかもしれませんが、私は、ルーツがわかるバンドの方が、出典のわからないバンドより尊いと思っています。勤勉でなければ真似ること、学ぶことはできないからです。天才の優れた思いつきより、凡人の偏愛のほうが辛く、悲しく、美しい。

ニューウェーブ、パンク、ハードコア、プログレ、メタル。それらの音楽が、大いなる冗談と、本当は何も信じていないからこその愛と、尽きることを知らない体力で渾然一体となるショー。こんなバンドを、同時代に見れて良かった。そしてもっと多くの、パンクもハードコアもプログレも知らない人たちにも、観てもらいたいのです。(評者 Vo,Sax:及川耕碩)



2018年7月12日木曜日

ウタ、ライブ出演者紹介その12「どろうみ」

どろうみ

7月14日(土)に高円寺DOM studioで行われる第一回てろてろ自主企画 「ウタ、ライブ」の出演者を、てろてろの各メンバーが紹介していきます。第十二回はどろうみです。
 
・生ギター、生ピアノのシンプルな音像で、ブルースやらアジアンなテイストも取り入れた多彩な楽曲が魅力です。(評者 Gt:百萬石マツリ)

・先日、オースチンレコード主催の企画にてろてろがアコースティック編成で参加、どろうみと対バンした時のこと。見覚えのある男性から「お久しぶりです」と声をかけられました。
私は絶望的に人の顔と名前を一致させるのが下手なので、絶対に見覚えがあるけれど名前が出て来ないな間違えたら大変な事になるぞ暫く時間を稼ごう記憶を辿ろう、とそんなことをつらつら考えるでもなく考えていると男性の方から「殺生に絶望の」と。あっ。鈴木さんでした。ごめんなさい。
なんで鈴木さんがここにいるんだ、と思ったらどろうみに参加されていたからなのでした。
 

自分にとっての良いウタ(歌、詩)というのは、「記憶」と密接に結びついています。記憶というのは不思議なもので、言葉にならなくても忘れたくても、ある匂いやある感触だけでその人の主体を通り越して追いついてくる。
「オシャレ」なウタというのは今目の前にあるその場の瞬間だけを写しとったようなツルツルして刹那的もので、それはまるで記憶がないようなふりをします。
私は、どこかでその人の逃れられない「過去」が匂い立つものの方に惹かれることが多いです。
生きることが記憶の連続であるとするなら、逆説的に「死を感じさせるもの」と言ってもいいのかもしれません。「オシャレ」なバンドからは、死の匂いがしないのです。

オリエンタルな雰囲気で良質な楽曲を演奏するアコースティックバンドを見るとつい「たま」みたい、と思っちゃうんですが(若いメンヘラ気味の女性ボーカルが現れるとすぐ「現代の戸川純」と例える大槻ケンヂか俺は)、たまの楽曲も死と記憶が色濃いから、どんなに明るい楽曲でもどこか寂しい。
どろうみを見て「たま」みたいだな〜、と思ってしまったのは、そこはかとない寂しさをウタに感じたからなのです。

今回の企画には、ハードコアな人もウタものでない人もヴォイスのないバンドも出てもらうのですが、それぞれがそれぞれの持つそれぞれだけにしかない記憶を感じさてくれる「ウタ」を演奏する人達に集まってもらいました。
その中でもどろうみには、もっともシンプルに私が考える「ウタ」をお客さんに感じてもらえるのではないかと思います。
ある意味、今回の企画の軸になる素敵なバンドです。(評者 Vo,Sax:及川耕碩)

https://soundcloud.com/doroumi/20180624a

ウタ、ライブ出演者紹介その11「だくろぷかん」

だくろぷかん


7月14日(土)に高円寺DOM studioで行われる第一回てろてろ自主企画 「ウタ、ライブ」の出演者を、てろてろの各メンバーが紹介していきます。第十一回はだくろぷかんです。
 
ライブハウスをトライバルな密林儀式に変えてしまうパーカッションの伝道師gloptinの激しすぎるビートに、
ハードコアシーンの異才集団MONEY IS GODのボーカルKAN氏の狂気に塗れた呪詛的咆哮、
録音エンジニアとしてもお馴染みの鬼才濁郎のシンセ音が加わる。

押し引きで言えば全員が「押し」、炭水化物をおかずに炭水化物、肉で肉を挟んだハンバーガーが如き、
個々の構成要素全てが
これでもかというくらいに
主張し、混ざり合い、それが掛け算で倍加した攻撃力となり観客を襲う。

この儀式的波状攻撃に身を委ね、祈り、音の粒子と一体化し塵に帰れる喜びに咽び泣くのだ。(評者 Dr:関口マーフィー)



ウタ、ライブ出演者紹介その10「scum2.1」

scum2.1

7月14日(土)に高円寺DOM studioで行われる第一回てろてろ自主企画 「ウタ、ライブ」の出演者を、てろてろの各メンバーが紹介していきます。第十回はscum2.1です。 

あなるちゃん(Vo)とオカニワフミヒロ(Drums.etc)による、度肝を抜くような高速ハードコアサウンドの嵐には目が離せません。今回のイベントのダークホースと言えるでしょう。(評者 Ba:ミサキ)


2018年7月11日水曜日

ウタ、ライブ出演者紹介その9「愚弁」

愚弁


7月14日(土)に高円寺DOM studioで行われる第一回てろてろ自主企画 「ウタ、ライブ」の出演者を、てろてろの各メンバーが紹介していきます。第九回は愚弁です。 

例えば、地下アイドルというジャンルの「地下」というのは色々なことを意味していると思います。
単に売れてないとか人気がないとかだけでなく、アナーキーであったりインディーズだったり、といった規制の弱さ(無さ)ゆえの自由度。またその飽和状態から、魅力と「感じられる」ものの幅を広げなければ頭一つ抜けることが難しく、結果奇抜さで目立とうとして過激化、混沌化してゆく。そういった先鋭化を意味するのが「地下」という言葉な気がします。

アイドルに特に明るくない自分から観た数年前の(地下)アイドルブームというのはこういうもので、それはある意味アイドルがパンク化している現象のように感じていました。その時代に心の底からノレなかった居心地の悪さは常にあったし、逆にパンクやらロックやらをバンドでやろうとしている人達の方が、多くは行儀の良い「あるべき反骨」みたいな偶像に収まろう収まろうと、つまりアイドル化していたようにも感じていました。インターネットの発達や再結成ブームで、お手本になる「伝説のバンド」が身近になったことや、過激さや意外性の幅がアイドルのギャップと比べて狭い(ロック的なことをロックとされるものがやるのは当たり前なので)からそう感じただけかもしれないのですが、2010〜2015年くらいまでは、ロックをやる、しかもやって売れる、というのは本当に大変な時代だったように感じます。

「地下室ノ表現者たち」というイベントを定期的に主催している愚弁は、ロックやパンクやジャズみたいな過激を、そういった時代にも雛形に閉じ込めることをしないで「地下」であり続けた(ロックし、パンクし、ジャズし続けた)人たちです。
 ウタとカラダでパフォーマンスを担当する谷口さんが、その場でクルクルと回ってどこにも行かない動きをするのを見るのが私は好きでした。本当は地上に出たくてしようがないのに、浮上する人々を見上げては恨み、地下を……いや自分自身の現状を肯定する「地底」の人のそれとは違う、自覚的な地下への志向。それは中島らもが言う「蚊の目玉の論理」による倒錯した下降志向、下であることこそが上という弱者の強者に対する怨恨が生む不健全な価値転倒、開き直りなどでない、あくまでも過激で苦しい場所にとどまり続ける前向きな諦念と覚悟の選択、を全身で表しているようでした。上や下でなく、周りや後ろを振り返らず常に己の目の前を見つめ続けている。愚弁は、私にとって文字通りの前衛でした。

アイドルブーム後。ニューウェーブ、プログレ、フォーク、HIP HOP、渋谷系、果てはノイズといった一般的でなかった音楽性が、アイドルというフィルターを通して楽曲提供されたことで伝わりやすくなり、音楽的にオルタナティブな人、実験的な人たちが随分とやりやすくなった印象があります。いわゆる「エモさ」にも多様性があることを広めたアイドルブームには、一定の意味があったのだと思います。

けれど、自分の中で最もエモいバンドは、どんな時代にも常に前衛をひた走り続け(だからこそ色んな人に愛される)、そしてこれからも続けていく(愛され続ける)愚弁でした。(評者 Vo,Sax:及川耕碩)

ウタ、ライブ出演者紹介その8「サラリーマン川柳(Vo,Gtヤミニ Dr関口マーフィー Sax及川耕碩)」

サラリーマン川柳

7月14日(土)に高円寺DOM studioで行われる第一回てろてろ自主企画 「ウタ、ライブ」の出演者を、てろてろの各メンバーが紹介していきます。第八回はサラリーマン川柳です。 

2018年7月結成。
ヤミニ(Vo,Gt)
及川耕碩(Vo,sax)
関口マーフィー(Dr)

ギチギチに構成を練り切った複雑な変拍子やリズム、
解釈の仕方に戸惑う難解なインプロビゼーション、ノイズ
等、聴き手に解釈の責任を求める音楽の傾聴に疲労してしまった人
が無責任に聴ける(演奏側も無責任にやれる)音楽を提供すること
をモットーにしている。

パンクで青春を過ごしたあなたも私も大人になり、
メタルもジャズも、プログレetc...も、あんなに忌み嫌ったJ-POPも
青春パンクも
実はあんまり悪い奴ではなかったのではないか?と
人並みの常識と良識を手に入れ、
気付き始めてしまったあなた。


だが、考えてみてほしい。
あの時無我夢中でCDがボロボロになるまで聴いていた
ディスチャージは小難しいリズムや変拍子を使用しただろうか
スターリンが2分以上に渡るオナニーのようなギターソロを見せびらかしたであろうか。
ガーゼが長尺の即興なんてやっていただろうか
ただただDビートこそがお前の正義ではなかったのか?

サラリーマンやOLとして
「本当の私はパンク」「本当の私はロック」という本音を会社や
世間に隠し、
世知辛い世の中を作り笑いで折り合いをつけている内に、
あんなに無責任で初期衝動に満ちていたあなたの
排他的な「パンク」や「ロック」は
グレーゾーンを許容し、灰色に濁ってないか?

サラリーマン川柳はそんなあなたへの処方箋である。
あの頃の無責任なおまえの「パンク」を
俺たちの前でくらいは見せてくれよ
俺達も決しておまえに対して社会的責任を求めはしない。

最後に一句、サラリーマンの川柳を聞いてくれ

ディスチャージ
ああディスチャージ
ディスチャージ

以上、宜しくお願い致します。(ビジネスメール)

(評者 Dr :関口マーフィー)

2018年7月10日火曜日

ウタ、ライブ出演者紹介その7 「砂山続き」

砂山続き

7月14日(土)に高円寺DOM studioで行われる第一回てろてろ自主企画 「ウタ、ライブ」の出演者を、てろてろの各メンバーが紹介していきます。第七回は砂山続きです。

てろてろの初代ギタリストでもある、砂智子さんがメインボーカルを取るバンド。最初は砂智子バンド、という名前で活動していたと思います。


砂智子さんとはかれこれ10年程前から交流があるのですが、その範囲内で感じたまったく勝手な想像、彼女にとっては名義を始めとした言葉に過ぎないもの。そういう速度の遅いものには、あまり意味がないと考えているような、そんな気がしています。
言葉の、意味の奴隷となったウタではなく、ウタのためのウタ。非常に身体的で原初的なウタを、ただ歌う。本当にそのためだけにステージに立ち続けている人なのじゃないかなと。
たまたま能力があるから力のあるメンバーが集まって砂山続きになっているだけで、きっとたった一人でも歌い続けているような、いつまでも続いていきそうな呪術的なウタ。そのウタを、徐々に優しく盛り上げていくバンドとのアンサンブル。一聴して陽気な音楽ではないけれど、よく観て聴いて感じれば、人間の生命力が持つとてもポジティブで明るいものを、彼女のウタから受け取ることができると思います。(評者 Vo,Sax:及川耕碩)

砂山続きレコ初ライブより。砂山続きは1分55秒くらいから。

2018年7月9日月曜日

ウタ、ライブ出演者紹介その6 「反芻袋」

反芻袋

7月14日(土)に高円寺DOM studioで行われる第一回てろてろ自主企画 「ウタ、ライブ」の出演者を、てろてろの各メンバーが紹介していきます。第六回は反芻袋です。


トランスレコードやナゴムレコードから音源を出していた、プログレ、パンク、フォークなどのジャンルを混ぜて昇華した楽曲を演奏する「痛郎」というバンドがあります。その痛郎のバッキング・ギタリストである大橋義典氏主導で、パンク・ニューウェーブの反芻、再解釈を目的とした……つまりカバーをメインにしたプロジェクトが反芻袋です。ボーカルを取っている私(及川)の中では、町田町蔵やあぶらだこで久土’n’茶谷をやっている、という意識。8年ぶりとなる今回は、町田町蔵from至福団、筋肉少女帯、RCサクセション、captain beef heart、FUNA、などから名曲の数々を演奏いたします。ゲスト・ピアニストには、「てろてろ」からハダユミが参加。私はサックスも吹きます。(評者 Vo,Sax:及川耕碩)