2020年1月5日日曜日

ウタ、ライブ6タイムテーブル

ウタ、ライブ6 タイムテーブル
13:30開場
O.A.musenneko 13:30〜

ヒミツの錯乱棒 14:05〜 thee blackdoor blues 14:50〜15:20 ビル 15:35〜 中川一郎 aka Ambient Samurai(ex絶対零度) 16:20〜 てろてろ 17:05〜

ウタ、ライブ6出演者紹介その6「中川一郎 aka Ambient Samurai(ex絶対零度)」

てろてろのメンバーが、出演者の紹介をいたします。

70年代後半から80年代にかけて活動したポストパンクバンド「絶対零度」の元メンバー、中川一郎氏のソロプロジェクト。
「ガセネタ」のドラマー・佐藤隆史氏が経営していたライブハウス吉祥寺マイナーで行われていた「剰余価値分解工場」というイベントなどにも出演していた絶対零度は、当時のアンダーグラウンドシーンで名を知られた存在でした。しかしその音楽性には、前衛的要素を持ちつつもあくまでウタに力のるいわゆる歌物、フォークや日本語ロックなどが源流にあります。

現在の中川さんの音楽の特徴として、その大枠はいわゆるアンビエントに括ることのできるものだと思うのですが、主軸にはあくまでウタがあります。
絶対零度の解散後、長く音楽活動を行わず主にリスナーとして過ごしていた中川さんが、当時追いかけていた早川義夫氏のライブ後「『毎回、ライブに来てくださるのは嬉しいし、おいかけてくれるのも嬉しいのだけれど。あなたに歌いたいことがあるならば、それをぼくに投影して、ぼくを追いかけて紛らわすのではなく、あなたはあなたの歌を歌ってくださいな。』というようなテレパシーの声を聴いたような気がした」ことが現在の活動に至るきっかけだったそうですが、元々歌物をやっていた、歌を大切にしていたそれだからこそウタに絶望してしまう。そういった動機からアンビエントミュージックやノイズなど無調性音楽に接近する音楽家もいますが、中川さんの場合は納得のできるメンバーと入念な練習を重ねてバンドをやるよりも、ギター一本にエフェクターを繋いだ方が自由に歌を表現できるのではないかという実際的な理由、ウタに拘った結果、としてのアンビエントだったということです。

浮遊感の中に舞うしかし確かに吐き出さなければ遣る瀬なくなってしまう歌。言葉。それを聞きに来てください。

及川耕碩(Vo,Sax)


ウタ、ライブ6出演者紹介その5「DJフルヤアツシ」


てろてろのメンバーが、出演者の紹介をいたします。

初めてフルヤアツシ氏の映像を見てすぐに僕のやっているもう一つのバンド「お正月坊主」の企画ライブに出演のお願いをした。
集客がどうとかそういう話ではなくて生でこの人のライブが見たい、共演したいと思った。

洗練された音楽、爆笑ものの歌詞、端正な顔立ち、それに料理も得意らしい。

言葉で伝えることができないので是非この動画を見てほしい、そしてライブで見てほしい(ライブはもっとすごくヤバイ)めくるめく大山のぶ代ワールドへ。

フクイ(Vn)


ウタ、ライブ6出演者紹介その4「Thee blackdoor blues」


てろてろのメンバーが、出演者の紹介をいたします。

楽をやるために日本にやってきたメキシコ人、Guzman JocelynVo/Gt/Key)と、須藤直音(Gt/Dr
 による2人組バンド。
彼らは、自らエクスペリメンタル・ノイズ・ブルース・ガレージ・パンクバンドと名乗っているように、様々な音楽からの影響を感じられます。
2人組ですが、バスドラム、ハイハットを足で踏みながらのギターのマルチプレイなど、2人だけでやっていると思えない迫力あるバンドサウンドを聴かせてくれます。

ミサキ(Ba)



2020年1月4日土曜日

ウタ、ライブ6出演者紹介その3「ビル」

てろてろのメンバーが、出演者の紹介をいたします。


ビルを初めて聴いたのは、ハイテクノロジー・スーサイドのカヴァーアルバム「HAVE A NICE DIE!」(超名盤。ハードコアのカバーオムニバスなのに、なぜかジャケは蛭子能収によるクリムゾンキングの宮殿パロディ。1曲目はその蛭子さんによる無音のポエトリー。あとは豪華参加陣による怒涛のハードコアがノンストップで収録)に入っていた「骨」。この時のボーカルは戸川純で、ビルはバックバンドという体裁だったと思うのですが、いわゆるハードコアの音なのにボーカルが何を言っているのかがきちんと聞こえるハードパンクでした。

その後、オリジナルの、ボーカルがついて自分たちの曲をやっているその本来の姿のビルのライブを観たのは今はなき神楽坂explosionだったか。その時はCD収録の「骨」のようにしっかりと歌の内容が聞き取れたわけではないのだけど、断片的に聞こえる歌詞、ハードなのにしっかりとしたメロディは、確かに歌モノとして聞こえました。自分の思う一般的なハードコアは「伝えたいことがあるのに聞こえない」といった類の、ある種の怖さ悲壮さを感じるものなのですが、ビルの場合は「伝えたいことはそんなにないのに歌としての手触りがきちんと伝わる」「怖いのに、どこか明るい」そんな風な印象のライブ。
今にして思えば、故・遠藤ミチロウ氏が自身のバンドについて語っていた「ザ・スターリンは歌ものだけど、言葉の有機性をモロに信じちゃいけない。歌を通じて何かをやるのには限界がある」「日本的なもの東洋的なものなんか何一つない、それが日本的なんだ、ということを表現したい」という話に似ていたような気もしますが、全然違う気もする。ともかく、ケツから殻を剥がし損ねた田舎出の小僧が見るには、ビルのライブはあまりに圧倒的でした。

フロントマンであるいぬん堂氏が主催するパンク・ニューウェーブの最重要レーベル「いぬん堂」及び主催イベント「いぬ屋敷」は、ザ・スターリンの伝説的なコピーバンド・コケシドールの活動場所を作るために始まったものだそうです。コピー、モノマネ、模倣、人から下に見られる冷たく見られる嘲られる、そのロックの世界の異様なほど硬直したオリジナリティ信仰、の風当たりは今でも強いのでしょうが、トリビュートバンドなんて言葉ができて、動画で誰もが「歌ってみる」ことのできる今よりも、それはもっともっと激しかったようです。
それでもそんなことをやる。そのための場を作る。人を集める。似た手触りのバンドも。それを観たい人たちも。そんな殆ど無謀で自己犠牲的にすら見える献身を行うことは、まごうことなき「愛」のなせる業だろうと思います。

遠藤ミチロウがライブで臓物を投げつける。怒り狂った客に「これは俺の愛だ」と答える。それとおなじように、愛の塊を、高速で轟音で、躊躇なく投げつけ続ける。愛そのもの、何もかもどうでもよくなるほどの混沌となって。
ビルを見ると嬉しいし、ワクワクするのです。片思いの好きな子と会った時みたいに。



及川耕碩(Vo,Sax)

2020年1月2日木曜日

ウタ、ライブ6出演者紹介その2「musenneko」

てろてろのメンバーが、出演者の紹介をいたします。

musennekoは、てろてろのベーシスト・ミサキによるソロプロジェクト。
ギターとエフェクターを使い「起伏あるドローン」を作るのを得意とする。

ミサキ君とはてろてろメンバーでも最も古い付き合いで、普段は気のいい友達という感じなのですが、 musennekoをしている時の彼には一種近づきがたい迫力があります。
ノイズとかドローンといった音楽は基本が無調性なので、何も知らずに聴くのにはコツがいると思うのですが(実際、10代の多感な頃は歌謡曲とかフォークとかシンプルなパンクロックばかり聴いていた自分にとって最も苦手なジャンルだった)、musennekoの作るドローンは聴いていて疲れず飽きがきません。
無調整なのに起伏があり、持続音なのにサビがあるかのような、明確なリズムはないのに踊りだしたくなるような、内発的なリズムが聴いた者の中にじわじわと湧いてくる、音量と間合いの美学と存在感がある。主張のための音楽でない、それなのにぼんやりと通り過ぎるように終わっていかないのは明確な意思でコントロールされているからで、様々なミュージシャンとコラボしても必ず、単なるバックトラック奏者ではない一ノイジシャンとしてのmusennekoの印象を強烈に残していく。

今回はオープニングアクトとして、開場直後からの演奏です。お見逃しなく。

(Vo,Sax 及川耕碩)

ウタ、ライブ6出演者紹介その1「ヒミツの錯乱棒」

てろてろのメンバーが、出演者の紹介をいたします。


S口あきら氏率いるハードコアバンド(だと僕は思っている)
ペニバンを装着し発狂、自転車でフロアに突っ込むなど過激なパフォーマンスで観客の度肝を抜く。
単純な人間の持ちうる衝動を分かりやすい形に整えて伝えるのではなく、敢えて混沌とした状態のまま発露するステージは圧巻、少しフロアが散らかりますので
演奏終了後は皆さんお片付けご協力の程宜しくお願い致します。
(Vn フクイ)


ウタ、ライブ6です


てろてろ自主企画
【ウタ、ライブ6
新大久保earthdom ※昼公演

令和二年(2020)1月5日(日)
OP/ST:13:30/14:00
adv.2500 door 2800 1drink
学生証提示で¥-300

出演
てろてろ
中川一郎 aka Ambient Samuraiex.絶対零度)
ヒミツの錯乱棒
ビル
Thee blackdoor blues


O.A.musenneko
DJ フルヤアツシ

ハードコアなメンツによる昼公演となります。新年会がてら、集エ。


2019年10月25日金曜日

10.26 扁桃核の夜 出演者紹介「てろてろ」


てろてろは、2018年から開催している自主企画「ウタ、ライブ」を中心にした精力的なバンド活動を展開し始めている。

そのルーツはフリージャズ、プログレッシブ・ロック
、オルタナティブロック、そしてパンクロック(特に80年代パンク・ニューウェーブ)。世間からすればマイナージャンルには間違いないが、こうした異形音楽を掘った人であれば、字面だけなら決して珍しい融合ジャンルではないだろう。

しかし、私自身の独善的偏見まみれの話になるが、
本バンド程、これらの音楽要素の「正しいまとめ方」を認知し、実践せんとしているバンドを知らない。

この「正しさ」とは、「"着地点としてパンク"の徹底した嗜好」の一言に集約される。
つまり、サウンドが如何なるものでも、
表現上の最終的な着地点を「世に是正せねばならぬ間違いがある」という精神的訴えを、あくまで言語(詩)によって伝えることに重きを置いているという点である。



一聴頂ければわかると思うが、そのサウンドは
変拍子、フリージャズ、マスロック等の要素をふんだんに盛り込みつつも
必ず「言葉」を引き立たせるための一定の
「サビ」ないし、「引き」の部分を欠かさない。
語り言葉は、その異形のサウンドをバックに付けることで、精神的感情的な明瞭な色彩を獲得している。
単純な朗読とは全く異なる趣を持つことはきっと誰の耳にも明らかなことだろう。

主義思想を説くならば、読書や演説会が良いし、純然たる楽曲の良さはインストによって味わうことができる。
だが、人が奮い立とうとする時、誰かを奮い立たせようとした時、
本当にこれらだけが全ての人に対しての十分な答えか。

「パンク」などと名乗ってしまったら、サウンドの多くは爆音化し、
言葉は周りの楽器音に埋もれ、時には単語のかけらがやっと聞き取れる程度のことも多い。
これは、上述の工夫を凝らしたてろてろのライブとて、完全なる例外ではない。

しかし、私はこれを、
「主義主張が多い癖に肝心のライブで爆音で歌詞が全部聴こえないパンクの矛盾」だとは
思っていない。
サウンドと混然一体となった言葉、その言葉の奥の精神性をかけらでも感じた時の高揚、臨場感は
「ああ、そうか、、、」という理屈を超えた生へのエネルギーを与えてくれる。
その作用は、例え聞こえなかったとしても、それでも伝えようとする
泥臭く懸命なもがきからのみ生まれると私は信じている。

てろてろは言葉を、大切にしている。パンク的着地に向け、このもがき誰よりも行っているのである。トリを飾る彼らの、この営みこそを観て欲しい

10/26、彼らが如何なるライブを見せてくれるか楽しみでならない。



(関口マーフィー・うしろ前さかさ族)

2019年10月23日水曜日

扁桃核の夜タイムテーブル


17:0017:25  地底湖(25分)
17:3518:05  ghostleg(30分)
18:1518:45  木幡東介(30分)
18:5519:25  第二口腔外科(30分)
19:3520:00 うしろ前さかさ族(25分)
20:1020:55  痛郎(45分)
21:0521:30  てろてろ(25分)

10.26 扁桃核の夜 出演者紹介「うしろ前さかさ族」


幾度かのメンバーチェンジを経て、現編成。その複雑かつ奇妙な音楽性は、プログレッシブハードコアとも、パワープログレとも呼ばれる。

難解なリフをいくつもいくつも、まるで己の業そのもののように積み重ねてゆく楽曲。Vo関口マーフィーの優れた身体能力によって演じられる一見コミカルだが攻撃性の強いパフォーマンス。インパクトのある単語を速射砲のように放ち続け、聞き手の襟を掴んで離そうとしないような歌詞。それらを下支えする研ぎ澄まされたバンドサウンド。
驚異のライブ本数によって洗練され完成されたステージングは、今まさにバンドとして円熟の境地に達していると言って良いものであるにも関わらず、どこか荒削りにハードコアに見えるのは、この過剰さ。そして、ハードコアパンクという音楽が持つ悲しさ苦しさをこのバンドが体現しているからかもしれません。

「どこにもいけない なににもなれない ここから出られない おまえのよう 底止して」(底止)


閉塞感に満ち家族に生活に毎日に絶望しながら、笑うことしか許されない世界。
その苦しい笑顔と同じように引きつった複雑なリズムは、言葉は、ふっと駅のホームから飛び込むことで行けるかもしれない「りんご園」へと心惹かれてしまう疲れた者たちの魂をすすぎ、苦しさも辛さも怒りもそれらを生み出す事を決してやめようとしない不条理なこの世界そのものすらも肯定してしまう。それはとても悲しい肯定、明るい悲しさで、ハードコアという音楽が激しくかつ悲しい音楽だとするならば、3コードでもなければ革ジャンも着ていないにも関わらず、間違いなく彼らが「パンク」の「ハードコア」のバンドであると、誰もが感じることができると思います。


(及川耕碩・てろてろ)

2019年10月18日金曜日

10.26 扁桃核の夜 出演者紹介「Ghostleg [Nii Mariko (HOMMヨ) and waniwave]」


Ghostlegは,ワニウエイブとニイマリコ(HOMMヨ、duMo)によるユニット。
今回「扁桃核の夜」がキャリア初ライブとなります。

「幽霊になるとき」


音源を聞いた瞬間「すごすぎる,生で観たい」となって,その時点でライヴ予定は入っていなかったようなんですが,お願いして初めてのライヴをやってもらうことになりました。
現時点で今後の公演予定もありません。これは来るしかない!!

ワニウエイブ氏の来歴についてはこちらにご本人がまとめておられますが,

これまでは,ゲーム文化,インターネットミームなどインドア系な領域の歌詞,ビジュアル表現に,超絶に美しくポップなコード進行とメロディがついているという作風だったと思います。

それが今回のGhostlegでは,曲の美しさはもちろん,PVやビジュアルイメージにおいてゲーム的表現も維持,発展させつつ,詩に関して,もともと一貫して表現されていた焦燥感やエモーションが,時代時代のジャーゴンの引用はせず(そういうのも大好きですが),どの時代でも通じる言葉で語られており,
それをニイマリコさんの透徹したボーカルで伝えることで,強い普遍性を獲得していると思います。

「ゲーム的表現」に関していうと,人気がありよくモチーフとして用いられているいわゆるファミコン・ドット絵のような時代ではなく,初代プレイステーションあたりの,絶妙なところ。
ドットのようないわゆる抽象表現でもなく,今の「できるだけリアルに,実写と見まごうばかりに」,を目指しているのとも違う,今振り返ると実にオルタナティブな存在だなあと。

ちなみに,ワニウエイブ氏には実は5年前にも私の企画に出てもらっていたりします。
しかしこれ今見返すと超豪華メンツだな…… 詳しくは言えませんが,今回企画との繋がりも結構ありますね。

今回も大変楽しみにしています!

(百萬石マツリ・てろてろ)

2019年10月14日月曜日

10.26 扁桃核の夜 出演者紹介「木幡東介(マリア観音)」


1980年代末期、昭和から平成への御代替わり直前に結成されたハードコアプログレッシブ歌謡ロックバンド・マリア観音。激しいステージアクション、三上寛や早川義夫を彷彿させる情感溢れる詩世界、それらと異化効果を生じさせる美しくプログレッシブに構築された楽曲、を武器に精力的な活動をしていたが、2000年頃に活動休止。同時期、ヴォーカル・木幡東介さんはドラムソロパフォーマンスのキャリアをスタートさせる。
そのパフォーマンスの一端は、再結成を果たした現在のマリア観音でも垣間見ることができます。

マリア観音 @四谷アウトブレイク 2019.07.17より、木幡東介ドラム・ソロ(52:22から)

https://www.youtube.com/watch?v=45KovOeVjvY&feature=youtu.be&t=52m22s


似ているな、と思ったのは若い頃に聴いた富樫雅彦のドラミング。即興演奏、ある時代にフリージャズと呼ばれていたそれは初めて聞く種類のドラムで、今以上に遥かに未熟だった当時の自分にはただ無茶苦茶に盲滅法叩いているだけのようにしか聞こえず、長く、理解が耳に追いつくことはありませんでした。
しかし友達から「これがいいあれがいい」とオススメされたフリージャズを聴いたりしていくうち、わからないものはわからないなりに、段々と自分の中で受け止め方が定まっていきました。すなわち、これは、まとまりのない音の粒が少しずつ収束して「できあがっていく」魅力なのではないか?正確にカチカチとリズムを刻む事で、あらかじめ成立している楽曲の魅力を縁の下で最大限に下支えし、引き出す。それとはまた一味違った、個人が持つリズム、鼓動、衝動をストレートに伝えることのできる、ドラムの持つ独立した魅力。
例えば通常のドラム演奏が、一定の私性を消しながら次々と迫り来るハードルを超え成果を出してゆく「仕事」「社会の中の個」の強さに似た魅力とするならば、フリージャズドラムは、わけのわからない全くの個人がじっくりと深い付き合いの中で互いのルールを確認する、徐々にその姿がわかり友情を深めてゆくプライベートで捉えどころがない「社交」の魅力に似ていると言いましょうか……。「決まった仕事」がない分、たどり着くまでになかなか根気のいる魅力であると言えます。

マリア観音のライブ会場で配られるビラや、公式サイトで読める文章「アンダーグラウンド音楽教室」では、木幡さんによるリズムの解釈と、その独自な練習方法が掲載されています。




[口頭メトロノームによるレコーディング]

①先ず、ヴォイスパーカッション宜しく好き勝手に口頭でリズムを数分間レコーディングする。
この時決して数字で認識しない。
この段階で自分に刷り込まれているリズムの種類がわかってしまう。

②これに合わせ他のパートをオーバーダビングする。
寸分違わず合うまでやる。
自分の特徴(段々と早くなる、段々と遅くなる、前のり、後のり、特定の位置にアクセントが来る 等)を自分の肉体に刷り込んでゆく。



……本当に、ゆっくりとした、根気のいるトレーニング(これを木幡さんは「本能の制度化」と呼ぶ)。その果てが、掲載した動画でも見られるような圧倒的なドラミングです。
木幡さんは言います。



「巷の音楽教育ではタブーである、リズムが不安定、弱い、走る、もたる 等は、この制度化によって全て個性になり武器になる」
「自分の真のルーツを己の肉体の内に探求する」



既存の制度からはずれた「本能の制度化」による鍛錬、とてつもない孤独の果てにある営みを、今回はソロによる長尺でお見せしていただけます。

最後に、今回の企画や、参加するバンドのことを表現しているかのような「アンダーグラウンド音楽教室」の一節を引いてこの記事を終えます。

「(引用者注:メトロノームを使用しないリズムの刷り込みには)10倍の時間がかかる。しかし、本来、一致、融合とはそうしたものである。夫婦、親子、チーム、共同作業、動物飼育等、また然り…。メトロノーム(社会通念)によって短時間に一致させた関係は、交換が効くが間もなく内的な質に於いて破綻する。直ぐに上限が来るからである。(1つの解答を覚えたら終わり…。)真の融合は、野生同志の間でしか成立し得ない。」

真の融合が成される一夜か否か。その目で目撃して欲しいと思います。
(撮影:池田敬太)


(及川耕碩・てろてろ)